
三菱メタノパックは、リアクター内部に粒状メタン菌(グラニュール汚泥)を高濃度に保持し、高効率の排水処理とエネルギー回収を行う嫌気性排水処理装置です。従来の好気性処理に比べ、曝気エネルギーが不要、発生メタンガスが有効利用できる、余剰汚泥が少ないなどの特長があります。
三菱メタノパック、高効率上向流嫌気性スラッジブランケット処理装置、UASB法、グラニュール汚泥床
- 高負荷処理の実現
グラニュール汚泥を高濃度に保つことにより、高負荷処理が可能となりました。容積当りの処理能力は、好気性処理の7~20倍、従来の固定床型嫌気性処理装置の2~6倍。このため設置面積を大幅に節減できます。 - 電力費の大幅な節減
好気性処理で必要な曝気が不要のため、電力使用量が極めて少ない省エネプロセスです。 - 汚泥発生量が少ない
嫌気性処理では除去有機物の殆どがメタンガスに転換されるため、余剰汚泥の発生は極めて少量で、好気性処理に比べ約1/7~1/3になります。 - エネルギーの回収
除去有機物のメタンを生成分とする消化ガスが発生するので、エネルギーとして回収・活用が出来ます。 - 季節的負荷変動への対応
グラニュール汚泥は、運転が長期間停止しても活性を失わないので、食品加工工場など長期停止、過少負荷を伴う設備の運転にも対応できます。 - 高濃度から低濃度の排水まで広範囲の適用
従来困難とされていたBOD 50,000mg/L以上の高濃度排水からBOD 500mg/L以下の低濃度排水までの嫌気性処理が可能です。 - 高温排水への適用
原水の温度が高い場合は、高温処理で使用することにより、一層の高負荷処理が可能になります。
三菱メタノパックは、リアクタ内部にメタン菌を高濃度集積させたグラニュール汚泥を大量に充填させ、リアクタ下部から供給される排水が、グラニュール汚泥床を膨張させながら上昇することで、リアクタ上部の三相分離装置にて排水をメタンガス、処理水、汚泥に分離する装置です。